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第1章図1.2の再重率分布とはどのようにして計算したのでしょうか。本文p21で(2.2節で詳しく説明する)とありましたが、2.2節を読んでも計算方法がよくわかりませんでした。
2.2節での$Q$に対応する分布は図1.2では一様分布で、一方の「偏った分布」というのが式(1.2)です。すると、式(2.21)に出てくる重みは単に式(1.3)の分布を定数で割ったものになります。このとき分布$Q$の下でのサンプル列を $\{\hat {\mu}^{(m)}_M\}_m$と書くと、$P$の下での$\hat \mu_M$の分布$P_M(\hat \mu_M)$は、式(2.23)での関数$h$を$\delta(\hat \mu_M, \hat \mu^{(m)}_M)$とすることで評価できて、具体的には以下のようになります。 \[ P_M(\hat \mu_M) \sim \sum_{m} \delta(\hat \mu_M, \hat \mu^{(m)}_M) \frac{P(\hat \mu^{(m)}_M)}{Q(\hat \mu^{(m)}_M)} \sim \sum_{m} \delta(\hat \mu_M, \hat \mu^{(m)}_M) P(\hat \mu^{(m)}_M) \sim \sum_{m} \delta(\hat\mu_M, \hat \mu^{(m)}_M) \exp(h \hat \mu^{(m)}_M) \] これで再重率分布の計算ができますが、 ここで$Q$の下での$\hat \mu_M$の分布を$P_M^{(Q)}(\hat \mu_M)$ (図1.2での「単純サンプリング」に対応しています) とおくと、今の場合 \[ P_M(\hat \mu_M) \sim \sum_{m} \delta(\hat \mu_M, \hat \mu^{(m)}_M) \exp(h \hat \mu_M) = P_M^{(Q)}(\hat \mu_M)\exp(h \hat \mu_M) \] と書けて、すでに$P_M^{(Q)}(\hat \mu_M)$を持っているなら、それに重み$\exp(h \hat \mu^{(m)}_M)$をかければ(さらに積分値が1になるように規格化すれば)良いということになります。